概要

地球から宇宙の果てまでを描き出すリアルタイム3Dスペースエンジン:Mitaka Plus

Mitaka Plus は、オープンソースソフトウェアとして公開された国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U Project)の Mitaka をベースに、使い勝手や機能の向上を行った派生版です。

Mitakaの利用許諾条件のもと、個人利用、学校利用、博物館や科学館での利用などに、無償にて幅広くご活用いただけます。立体投影やフルドーム投影など、特殊な上映環境への対応などについては、こちらの Mitaka Pro をご検討下さい。

ダウンロード

以下のリンクからダウンロードできます。Mitaka Plus は現在、Mitaka への差分形式で配布しています。インストールの際にはまず こちら から最新版の Mitaka をダウンロードしてください。 Mitaka をインストール後に、以下の Mitaka Plus のファイルを上書きコピーしてください。

※ 最新版の Mitaka Plus は過去のバージョンのデータも含んでいます。古い Mitaka Plus をインストール/アンインストールする必要はありません。

最新バージョン

※ Mitaka Plus の開発は終了しました。2010年当時のOSとMitakaでのみ動作確認を行っております。最新版のMitakaと組み合わせても動作しませんので、ご注意ください。

Mitaka Plus version 1.5.4 Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka version 1.2.0a (「はやぶさ」「あかつき」追加版) Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.0.0 MacOSX 10.3以降 (Universal Binary)版
( StuffIt形式圧縮ファイル )

※ 動作環境は Mitaka に準じます。十分に高速なCPUおよびグラフィック環境での利用をお勧めします。

過去のバージョン

Mitaka Plus version 1.4.0 beta (日食2009対応版) Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus 小惑星探査機「はやぶさ」データ Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル。最新版のMitaka Plusに上書きして下さい )

Mitaka version 1.2.0 (小惑星探査機「はやぶさ」追加版) Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.3.1 Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.3.0 Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.2.0 Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.2.0 beta Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.1.0 Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

Mitaka Plus version 1.0.0 Windows 7 / Vista / XP / 2000版
( ZIP形式圧縮ファイル )

新機能

Mitaka Plus で追加された新機能を紹介します。

あかつきの軌道と3Dモデル表示の追加

Akatsuki

金星探査機「あかつき(PLANET-C)」の軌道と3Dモデルを表示できるようになりました。 地球出発から金星到着までのミッションの再現にご利用ください。
軌道データ提供:JAXA
3Dモデルデータ:(株)オリハルコンテクノロジーズ
この実現にはJAXA、ならびに高橋真理子さん(山梨県立科学館)にご尽力いただきました。


はやぶさの軌道と3Dモデル表示の追加

Hayabusa

小惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」の軌道と3Dモデルを表示できるようになりました。 軌道精度は1万km以下なので、太陽系を俯瞰したミッションの再現などにご利用ください。
軌道データ提供:JAXA
3Dモデルデータ:(有)ライブ (全天周映像「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」の低解像度モデル)
この実現にはJAXA(有)ライブならびに菊川真以さん(つくばエキスポセンター)、半田利弘先生(東京大学)にご尽力いただきました。


日食の再現が可能に

Solar Eclipse

宇宙空間で日食のコーンを表示できるようになりました。地上では、日食時に空が暗くなります。 UIブラウザには日食の再現に便利なショートカットが追加されています。


プレゼンテーション機能の追加

Presentation

2画面表示できるPC用に、投影画面を操作画面と別に開くことができるようになりました。(メニューから[表示]->[投影画面])。この投影画面上でマウスカーソルの表示やフェードイン・フェードアウトができるボタンがツールバーに追加されています。


ターゲットブラウザの強化

ターゲットブラウザで右クリックすることで、宇宙空間でターゲットにジャンプしたり、センタリングだけを行うことができるようになりました。地上ではセンタリングのほか、対象天体をセンタリングし続けることができます。これは日食の観測に便利です。

天体のフェード表示切り替え

天体名や軌道線などの表示・非表示がスムーズに切り替わるようになりました。

観測地の追加と編集が可能に

Place Setting

惑星や衛星の表面に「観測地」を定義し、地名ラベルの表示や、その場所へ着陸することが可能になりました。また地名ラベルは表示サイズや表示色を自由に設定可能です。これらの観測地の追加や編集をGUIから行うための、観測値設定ダイアログも用意しました。


観測地風景の表示

Landscape

観測地ごとに、全周囲のパノラマ画像を用意して地上風景を表示することが可能になりました。地上風景の表示位置などをGUIから調整する観測値設定ダイアログを用意しました。また、地球や月、各惑星のサンプル地上絵も同梱しました。(地上絵作成協力:野本 知理、亀谷 和久、和志武 功久、松下 郁、松浦 匡)


彗星の表示に対応

Comet

小惑星等と同様に彗星も表示することが可能になりました。ターゲットとして特定の彗星を選択することで、彗星とともに太陽系に飛び込むことも可能になります。(Ver.1.3.1では彗星の尾の表示には対応していません)


ユーザによるデータの追加や編集が可能に

惑星や衛星、彗星、小惑星、星座名、恒星名など、ほぼすべてのデータを外部化し、テキストファイルの追加や編集によってユーザ自身がこれらのデータを変更できるようになりました。新しく見つかった彗星や小惑星なども、ユーザ自身で追加が可能です。

ユーザによる多言語対応が可能に

データが外部化されたことにより、これらのデータを翻訳することで日本語や英語以外の言語にも対応することが可能になりました。またこれら複数のデータをすべて同居させ、起動ごとに切り替えることも可能です。具体的な翻訳のための手順については後日ドキュメントを用意します。

天体の個別表示機能の拡充

ターゲットブラウザやスクリプトから個別に表示・非表示できる対象が増えました。これにより、衛星、彗星、小惑星、太陽系外縁天体、探査機、恒星名、星座についてそれぞれ個別に表示・非表示ができるようになりました。

探査機表示機能の強化

これまで軌道の表示・非表示しかできなかった探査機について、他の天体と同様にラベルやモデルの表示切り替えも可能になりました。またモデル読み込み機能を改善し、読み込み時間の短縮や描画品質が向上し、テクスチャ・アニメーションにも対応しました。

衛星にも着陸可能に

Landing on Moon

太陽系内の衛星、月などに着陸可能になりました。


プラネタリウムモードで表示する天体の増加

地上から星空を観測するプラネタリウムモードにて、彗星や小惑星、探査機も表示されるようになりました。プラネタリウムソフトのように、今夜の彗星の位置などが確認できます。

文字列表示の高品質化

Smooth Text

描画品質を優先した高品質な文字列描画を行なう設定が選択可能になりました。


すべての天体を選択・ターゲット指定可能に

Target Browser

マウスクリックや新しいターゲットブラウザウィンドウで、あらゆる天体が選択可能になりました。画面上には選択された天体の情報が表示されます。さらに、ダブルクリックによってこれら任意の天体をターゲットに指定できます。


プラネタリウムモードでの天体センタリング

Selection

地上から空を見上げるプラネタリウムモードにて、恒星や星座など任意の天体の方向に視線を向けることができるようになりました。


恒星名と星座の個別表示が可能に

Visible Selection

ターゲットブラウザまたはスクリプトから、特定の恒星名や星座のみを選択して表示できるようになりました。


時刻設定ダイアログの追加と時間の連続運行

Time Setting

新しい時刻設定ダイアログによって、カレンダーや数値入力による時刻設定が可能になりました。また、プラネタリウムソフトのように一定速度で時刻を進め続けることも可能になりました。


オプション設定ダイアログを追加

Option Setting

描画品質や操作スタイルを設定・保存するオプション設定ダイアログを追加しました。


スムーズな離着陸や視点移動を実現

天体表面からの離着陸やターゲット天体の切り替え、スケール選択による移動など、すべての視点移動で緩急をつけたスムーズなアニメーションを行なうようになりました。ターゲット変更時の自動距離調整もオン・オフできるようになりました。

スムーズな着陸地点の選択

宇宙空間から地球の表面をダブルクリックすることで、スムーズにその地点上空に視点を移動することができるようになりました。

自由な天体表示比率の設定

スクリプトから太陽や惑星の天体表示比率を自由に設定できるようになりました。また、表示比率をアニメーション変化させることもできます。

画面のスナップショット保存

BMPやPNG、JPEG等の画像フォーマットでスナップショットを保存することができるようになりました。

GUIスタイルの変更が可能に

GUI Style

各設定ウィンドウなどのGUIを専用スタイルシートによって自由にデザイン可能になりました。サンプルとして、黒地のGUIが選択可能になっています。


HTMLによるユーザインタフェースの制作が可能に

UIBrowser

SssimStudioと同様の、スクリプトとHTMLによるGUI制作が可能になりました。これにより、自由自在にユーザインタフェースを自作することができ、また操作ノウハウや最新の天文トピックの紹介シナリオなどをユーザ同士で共有・発信できるようになりました。


大幅な実行速度の向上

恒星、恒星ラベル、小惑星、オールトの雲、銀河、近傍銀河、大規模構造など各階層の描画処理を最適化することで、全体的に実行速度が向上しました。実行環境によっては数倍の速度で動きます。

Mitaka ver.1.1.0ベースに修正

  • SDSS Data Release 6 の銀河データと QSO データを追加
  • Windows Vista 搭載の一部のノートPCなどで強制終了する問題の対策

スクリプトによる動作制御

簡単なスクリプト記述によって、Mitaka のすべての機能を制御できるようになりました。これにより、メニューやツールバーなどのGUI、キーボードやジョイスティックによるショートカット、そしてスクリーンメニューまですべてが自由にカスタマイズ可能になりました。また、ボタン一つで現在の状態の保存や復帰も可能、初期状態を好きな場所・好きな時間・好きな表示設定に設定することもできます。さらに、スクリプトの編集や動作確認ができるスクリプトエディタも搭載しました。


Macintosh 環境への移植

Mitaka on Mac

Mitaka を Macintosh(MacOSX 10.3以降)環境で動作するように移植しました。

※ このバージョンでは、[X]キーから開く画面内メニューが無効化されています。 これは今後の開発とともに解決していく予定です。


88星座の星座絵表示

Constellations

88星座の星座絵表示を追加しました。宇宙空間に立体的にマッピングされた星座の様子を楽しんでみてください。星座絵データは拙作 太陽系シミュレーター と共通で、古庄信夫氏 と viva mambo, inc. の制作によるものです。


開発者

Mitaka Plus の開発は、高幣 俊之 (ORIHALCON Project, 元4D2U Project / 理化学研究所)が行っています。
Copyright(c) 2007-2010 高幣 俊之, 加藤 恒彦, 4D2U Project
開発協力: 天文学とプラネタリウム(http://www.tenpla.net/)

オリジナルの Mitaka は、加藤 恒彦氏(大阪大学 / 元4D2U project)が開発を行っています。
Mitaka: Copyright(c) 2007 加藤 恒彦, 4D2U Project

既知の問題

  • Macintosh版の起動時に恒星データを読み込み中で不正終了してしまう: インストールの際、Mitaka内のdataフォルダを「置き換え」てしまった場合に起こります。お手数ですが、dataフォルダの中に入って個々のファイルやフォルダをコピーしてください。

開発プラン

公開された Mitaka ver.1.00 のソースを元に、まずはマルチプラットフォームでの利用を見据えてMacintosh環境への移植を行いました。Macintosh版の未実装機能の多くは文字列描画処理(3Dフォントレンダリング)に依存するもので、これは文字列表示の 画質向上とあわせて今後解決していく予定です。Windows/Macintosh共通のコードベースが整ったため、これをベースとした抜本的な改造に取り掛かります。

Version 1.1.0 において、念願のスクリプト対応を実現しました。Mitaka Plus のすべての機能がスクリプトから制御可能になったことで、GUIやショートカットなどを自在にカスタマイズすることが可能になりました。

Version 1.2.0 beta では、 4D2UプロジェクトでのMitaka ver.1.1.0への更新に対応するとともに、描画処理を徹底的に見直すことによって全体的な実行速度の向上を実現しました。 特にノートPCなどのオンボードGPU環境で効果があると思います。

Version 1.2.0 では、内部構造を一新し、あらゆる天体をターゲット選択可能にしました。また、離着陸やターゲット変更、時刻などをアニメーション可能にしました。様々な機能に簡単にアクセスできる各種GUIの追加とともに、スクリプトとHTMLによる自在なGUIの制作も可能にしました。

Version 1.3.0 では、観測地の定義を導入し、惑星や衛星の特定の地点という一段深いレベルにターゲットを拡張しました。また、天体の種類として彗星を追加し、その他の天体や探査機も個別表示設定などの制御インターフェースを整備しました。

Version 1.3.1 では、デフォルト言語判定、日本語での方角表示等のに関するバグ修正を行いました。また、ツールバーアイコンを一新しました(制作:金子 委利子)。

Version 1.4.0beta では、2009/7/22の日食に合わせて日食再現機能の追加と、2画面表示などプレゼンテーション機能の強化を行いました。天体表示のフェード切替など、演出面も向上しています。はやぶさの軌道データも追加されました。

ナビゲーション

  • SpaceNavigatorでの操作
  • 自由飛行モード

追加要素

  • 人工衛星の表示
  • 天の川画像の追加を簡単に
  • 地上モードでも星雲画像を表示
  • 地上での惑星視等級の反映
  • マーカーやライン、画像オブジェクトの表示
  • 日周運動の軌跡表示
  • 流星群の表示

スクリプト

  • フライトパスの記録と再生
  • Mitaka.iniファイルを分割、内容整理

画質の向上

  • プラネタリウム的な星描画モードの追加

上映支援機能

  • パワーポイントなど各種メディアの表示
  • 画像や動画素材の登録を簡単に
  • 外部プログラムの起動

関連書籍

宇宙を体験!Mitaka & Mitaka Plus 入門 (翔泳社)

MitakaとMitaka Plusについて全編カラーで非常にわかりやすく解説されています。MitakaやMitaka Plusをより深くお楽しみ頂けます。